データサイエンスキャリアディベロップメントセミナー

データサイエンス キャリアディベロップメントセミナーが開催されました

データサイエンスに関連する実務の最前線で活躍されているゲストに、ご自身のキャリアについて語っていただく「データサイエンス・キャリアディベロップメント・セミナー」を、データサイエンス学部は主催しています。

この度、下記の要領で、第一回のセミナーを開催しました。

 

日時:2026年1月15日(木) 3時限(13:00-14:30)
講師:閔 青和(みん ちょんふぁ)さん(株式会社JPメディアダイレクト勤務)

 

閔さんは、上智大学経済学部経営学科卒、広告代理店・出版社などに勤務していました。広告代理店では、マーケティング関連のデータベースを活用して集計や分析を行っていました。日頃からデータの集計や加工に携わる中で統計学への関心が高まり、書店で偶然手に取った一冊をきっかけに、本格的に独学で学び始めました。このタイミングで統計学を学んだことが、データサイエンティストとしての現在の仕事につながりました。

 

現在の勤務先では、ダイレクトメディア(DM)施策におけるエリアターゲティングの最適化を目的としたデータ分析を行っています。ダイレクトメールなどの広告効果を分析し、反応率や顧客属性をもとに最適な配布エリアとターゲットセグメントを設計した上で、広告効果の最大化を図る提案をクライアントに対して行っています。

ダイレクトメディアの効果をクライアントに的確に説明するためには、分析手法への深い理解が不可欠です。特に、高度化する手法を独学で習得することに限界を感じていたタイミングで、上智大学がデータサイエンスの修士プログラム(上智大学大学院応用データサイエンス学位プログラム)を開設すると知りました。

応用データサイエンス学位プログラムは夜間・週末に開講していることもあり、修士課程でデータサイエンスを学ぶ機会を勤務先の支援のもとで得ることができ、仕事と大学院での学修を両立することができました。

修士課程では、データサイエンスの基礎だけでなく、ビジネス実務への応用を強く志向する講義に参加し、知識の幅を広げることができました。修士論文では、勤務先で収集した実データを用い、紙のダイレクトメールと電子メールを組み合わせたダイレクトメディア施策の効果を、因果推論の手法により検証しました。その結果、紙媒体の有効性を統計的に裏づけることができ、実務における営業・提案を支える実証的な根拠を示すことができました。

大学院修了後も、勤務先においてダイレクトメディアに関するデータ分析に引き続き従事し、在学中に修得したデータサイエンスの知見を実務に活かしています。大学院時代にはあまり関心を持てなかったテキストマイニングも、調査における自由回答という「消費者の声」を定量的に活用できる手法であると再認識し、卒業後に改めて学び直し、現在では業務の中核的な分析手法の一つとして積極的に活用しています。

 

データサイエンティストの日々の仕事において最も重要なのは、データの構造を正しく読み解き、クレンジングを含む前処理を丁寧に積み重ねることです。それは時間を要する地道な作業である一方で、分析のクオリティを決定づける大切なプロセスでもあります。データクレンジングとは、データに含まれるエラーや欠損、不整合などを検出・修正し整える作業です。テキストマイニングでは、「Instagram/インスタ」(同義語)、「データクレンジング/データ・クレンジング」(表記違い)、「DM / dm」(大文字・小文字)などは、意味として同一であっても、データ上では別の語として扱われてしまうので、こうした「表記揺れ」の正規化も不可欠です。

データクレンジングを適切に行うためには、そのデータがどのようなプロセスで生成・収集されたのかを理解していることが前提となります。背景知識として、顧客のビジネスを深く理解できているかどうかが、分析の精度や実務的な有効性を大きく左右します。データ分析手法そのものに加えて、「ドメイン知識」と呼ばれる、経済学・経営学などの知識が重要であると閔さんは強調します。

閔さんは、自らのキャリアで最も大切にしているのは、「”楽しい”ことを、自分のペースで」。仕事も人生も「楽しい」と思えることがコアにあり、経済的にも精神的にも誰にも依存せず、自分で自分を幸せにできる自立した生き方を大切にしています。データサイエンティストとしての仕事は自身に適していて、仕事のペースを自分自身でコントロールし、「残業しない」働き方でオン/オフともに充実させる日々を送っていると閔さんは語ります。

自身のキャリアを振り返って、何か新しいことを学び始める機会は、いつでも訪れるものだと感じているといいます。新しい知識や挑戦に「遅すぎる」ということはなく、大切なのは、「興味を持ったタイミングに一歩踏み出すこと」だと語ります。

社会や技術はこの2年の間にも目まぐるしく変化しており、皆さんが社会に出る数年後にこの分野がどのような形に進化しているか、誰にも予測できない。しかし、データを読み解く力はあらゆる領域で価値を持ちます。だからこそ、肩書きにとらわれず、自分が楽しいと感じる分野に飛び込み、その中でデータ分析のスキルを活かして欲しい——データサイエンス学部の学生に向けて、そんなメッセージが贈られました。

 

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